Google Tensor G6を最新のスマートフォン向けチップと比較
Google Pixelを選ぶとき、「TensorはiPhoneやほかのAndroidスマートフォンと比べてどう違うのか」が気になる方もいると思います。
2026年10月時点のGoogle Pixel 11シリーズには、Google Tensor G6が搭載されています。今回はTensor G6と、AppleのA20 Pro、QualcommのSnapdragon 8 Elite Extreme Gen 6・Snapdragon 8 Elite Gen 6の違いを比較して紹介したいと思います。
CPUとスマートフォン用チップの違い
スマートフォンの仕様では、TensorやAシリーズ、Snapdragonが「CPU」として紹介されることがあります。正確には、CPUに加えて、映像を処理するGPUやAI処理用の回路などをまとめた「SoC」と呼ばれるチップです。
CPUの処理速度は大切ですが、写真の仕上がりやAI機能、ゲームの動作はCPUだけで決まりません。この記事では、公式仕様に加えて、海外メディアが実際に測定したGeekbenchの公開結果を紹介します。
最新チップの比較一覧
| 比較項目 | Google Tensor G6 | Apple A20 Pro | Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6 | Snapdragon 8 Elite Gen 6 |
|---|---|---|---|---|
| メーカー | Apple | Qualcomm | Qualcomm | |
| 世代 | 2026年 | 2026年 | 2026年9月発表 | 2026年9月発表 |
| 主な対象 | Google Pixel | iPhoneのProモデル | Androidの上位スマートフォン | Androidの上位スマートフォン |
| 確認できる搭載機種・提供状況 | Pixel 11/11 Pro/11 Pro XL | iPhone 18 Pro/18 Pro Max | 搭載端末をメーカー各社から投入予定と発表 | 搭載端末をメーカー各社から投入予定と発表 |
| 公式情報で確認できる特徴 | CPU・TPU・画像処理の強化、Titan M3との連携 | 6コアCPU、7コアGPU、デュアル16コアNeural Engine | Qualcommが自社最上位と位置づける新世代チップ | Oryon CPU、Adreno GPU、Hexagon NPU |
Snapdragonの2製品は、チップの発表内容を比較に含めています。上の表は、すべての搭載端末が国内で発売済みであることを示すものではありません。
最新CPUの実測ベンチマークを比較
Geekbench 7の公開スコア一覧
まず、今回の4種類のチップについて、実際に測定したメディアが公開しているGeekbench 7のCPUスコアをまとめました。数値は各記事に掲載された測定例で、複数サイトの平均値やメーカーの公称値ではありません。
シングルコアは1つのCPUコアを使う処理、マルチコアは複数コアを使う処理の目安です。いずれもスコアが高いほど、そのテストでの処理性能が高いことを示します。
| チップ | 測定端末 | シングルコア | マルチコア | 測定・掲載元 |
|---|---|---|---|---|
| Google Tensor G6 | Google Pixel 11 | 2,274 | 6,941 | MobileSyrup・8月26日追記 |
| Apple A20 Pro | iPhone 18 Pro | 4,735 | 12,545 | BGR・9月24日公開 |
| Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6 | Qualcommのリファレンス端末 | 4,155 | 12,455 | BGR・9月24日公開 |
| Snapdragon 8 Elite Gen 6 | Qualcommのリファレンス端末 | 3,553 | 11,788 | BGR・9月24日公開 |
各日付は2026年の掲載・更新日です。実際の測定日とは限りません。出典ではGeekbench 7と明記されていますが、細かいバージョン番号、全端末のOSビルド、室温などはそろって確認できないため、完全な同条件比較ではありません。
リファレンス端末とは、チップメーカーが評価用に用意する試験端末のことです。BGRが試したSnapdragonの端末は24GBメモリ・1TBストレージを備えます。市販スマートフォンのスコアや、購入後に得られる性能を保証する数値ではありません。
公開結果から分かること
上の測定例では、Tensor G6搭載Pixel 11のCPUスコアは、比較したA20 ProとSnapdragonの評価端末を下回っています。CPUベンチマークを重視して選ぶ場合、この差は確認しておきたいポイントです。
同じBGRの記事では、Extreme Gen 6が通常のGen 6よりも高いスコアを記録しています。A20 ProとExtreme Gen 6のマルチコアは近い数値ですが、この結果だけで市販端末の優劣や長時間使用時の動作まで断定することはできません。
また、Pixelの数値は別媒体による測定です。上の表は公開された結果を見比べるための参考資料として読み、厳密な性能倍率や総合順位には置き換えないようにしましょう。
Geekbench 6.3でも確認
別の測定例として、ComputerBaseが2026年9月23日に公開したGeekbench 6.3の結果を紹介します。同じ媒体の同じバージョン表記で、Tensor G5からの変化も確認できます。
| チップ | 測定端末・構成 | シングルコア | マルチコア |
|---|---|---|---|
| Google Tensor G6 | Google Pixel 11 Pro | 2,688 | 6,871 |
| Google Tensor G5(前世代・参考) | Google Pixel 10 Pro XL | 2,329 | 6,358 |
| Apple A20 Pro | iPhone 18 Pro Max | 4,744 | 12,800 |
| Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6 | Qualcomm QRD・24GB LPDDR5X | 4,257 | 12,710 |
| Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6 | Qualcomm QRD・24GB LPDDR6 | 4,193 | 12,706 |
QRDはQualcommのリファレンス端末です。通常のSnapdragon 8 Elite Gen 6は、この出典に比較データがないため、先ほどのGeekbench 7の表を参照してください。
この測定例では、Tensor G6は前世代のTensor G5より高いスコアを記録しています。ただし、比較端末はPixel 11 ProとPixel 10 Pro XLなので、チップ以外の構成差も含む結果です。
Geekbench 6と7のスコアは直接比べない
Geekbench 7では、処理内容やマルチコアの測り方などが変更されています。上の2つの表は、それぞれのバージョン内で確認してください。6と7の数値を並べて、性能が何%上がった・下がったと計算することはできません。
同じチップでも、端末、冷却設計、OS、測定時の温度や電力設定によって結果は変わります。今回は、出典に記載された数値とバージョンをそのまま掲載し、未確認の条件を補っていません。
Google Tensor G6の特徴
Tensor G5から何が変わった?
Googleは、Tensor G6について、Tensor G5と比べたウェブ閲覧やアプリ起動の高速化を案内しています。
| 項目 | Googleが案内する改善 |
|---|---|
| ウェブブラウジング | 25%高速化 |
| アプリの起動速度 | 15%向上 |
| TPUの計算能力 | 50%向上 |
これらはGoogleの公式発表に基づく数値です。ウェブ閲覧とアプリ起動は、リリース時のTensor G5を比較対象とした試作ハードウェアによる自社テストで、実際の結果は利用状況によって変わります。TPUの計算能力の向上率を、そのまま個々のAI機能の処理時間に置き換えることもできません。
また、A20 ProやSnapdragonに対して同じ割合だけ速いという意味ではありません。前世代からの改善と、メーカーをまたぐ性能比較は分けて考える必要があります。
カメラとAIを支えるチップ
Tensor G6は、AI処理を担うTPUに加えて、カメラの画像信号を処理するISPも改良されています。
Pixelのカメラを比較するときは、チップの名前だけでなく、撮影できる写真や動画、使いたい編集機能も確認すると選びやすくなります。同じチップでも、レンズやセンサー、ソフトウェアが異なれば、使える機能や仕上がりは変わります。
AI機能も、すべての処理がスマートフォン内だけで完結するとは限りません。地域、言語、アカウント、年齢、契約、通信環境などによって利用条件が異なるため、購入前に対象機種の案内を確認しましょう。
セキュリティと公式仕様
Pixel 11の公式仕様では、Tensor G6に加えてTitan M3セキュリティコプロセッサを搭載し、量子耐性のあるハードウェアベースのセキュアブートに対応すると案内されています。
一方、今回確認したGoogle公式仕様には、Tensor G6のCPUコア構成や最大動作周波数、GPUの型番は記載されていません。そのため、推測による詳細仕様は比較表に加えていません。
iPhone・Snapdragonとはどう違う?
A20 ProはiPhoneのProモデル向け
A20 Proは、iPhone 18 ProとiPhone 18 Pro Maxに搭載されるチップです。CPUは2つのスーパーコアと4つの高効率コアで構成され、GPUは7コア、Neural Engineはデュアル16コアです。
ただし、コアの数だけでTensor G6より速い、遅いとは判断できません。CPUやGPUの設計、OS、使うアプリも異なるためです。
iPhoneを検討している方は、普段使うアプリやApple製品との連携も合わせて比較するとよいと思います。ゲームや動画編集を重視する場合は、対象アプリを実際に動かした端末レビューも参考になります。
Snapdragonの最新世代は2製品を確認
Qualcommは2026年9月、Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6とSnapdragon 8 Elite Gen 6を発表しました。Extreme Gen 6を自社の最上位モバイルプラットフォームと位置づけています。
両製品は、AI、ゲーム、カメラ、通信機能の進化を特徴としています。通常のGen 6については、Oryon CPU、Adreno GPU、Hexagon NPUを搭載すると案内されています。
複数メーカーのAndroidスマートフォンから選びたい方は、搭載機種の発売状況と国内対応を確認しましょう。同じチップでも、本体の冷却設計や電力設定などで継続して負荷をかけたときの動作は変わります。
ベンチマークと使い勝手を合わせて判断する
スコア以外に確認したい項目
| 使い方 | 確認したいポイント |
|---|---|
| 普段の操作 | アプリ起動、スクロール、複数アプリの切り替え |
| ゲーム | 遊ぶタイトルの対応状況、画質設定、長時間プレイ時のフレームレートと発熱 |
| 写真・動画 | 撮影機能、編集の使いやすさ、保存や書き出しにかかる時間 |
| AI機能 | 日本語対応、端末内処理とクラウド処理の違い、追加料金の有無 |
| 電池持ち | 同じ条件で測った端末レビュー、普段の使い方に近いテスト |
CPUベンチマークだけでは、ゲームの描画性能やAI機能、カメラ画質をまとめて評価できません。自分の使い方に近いテストと合わせて判断することが大切です。
まとめ
Google Tensor G6は、Pixel 11シリーズに搭載される2026年世代のチップです。前世代からCPU、TPU、画像処理が強化され、Titan M3と連携したセキュリティも特徴です。
公開されたCPUベンチマークでは、Tensor G6のスコアは今回比較したA20 ProやSnapdragonの評価端末を下回る測定例があります。一方、Tensor G5との比較ではスコアの向上も確認できます。使い勝手は、こうした数値と必要な機能の両方から判断したいところです。
PixelのカメラやAI機能を使いたい方は、Tensor G6搭載機で、目的の機能が日本語で利用できるかを確認するとよいと思います。
iPhoneのアプリやApple製品との連携を重視する方にはA20 Pro搭載のiPhoneが候補になります。Androidのメーカーや本体機能を幅広く比較したい方は、最新Snapdragon搭載機の国内発売情報も確認しましょう。
チップ名や一つのスコアだけで決めず、使うアプリ、発熱、電池持ち、必要な機能まで含めて選ぶのがおすすめです。